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2009年10月 1日 (木)

資料の写真撮影

Dsc_0006 博物館実習の授業では、すでに博物館を活用し始めています。

今日は、民俗資料の写真撮影をしました。資料写真は、資料の置き方、照明の当て方、影の作り方(消し方)、露出の設定など、さまざまなことを考えなければなりません。学生たちは、前面をまんべんなく照らして色を強調するのか、表面の凹凸を影を作って強調するのか、周囲の影をどう作って質感を出すか、露出の設定でどこまで深くピントを合わせるかなどを話し合いながら撮影しました。

博物館では、一枚の写真を撮るのに、あぁでもない、こうでもないと、数時間を費やすことがあります。資料写真には、ものをいかに伝えるかという「コンセプト」が必要です。つまり、なぜそういう写真になったかを説明できなければなりません。

写真は、東北地方では一般にベンケイ(弁慶)と呼ばれる藁つとです。竹篭に藁を束ねて詰めて、イロリの上などにぶらさげ、燻した魚などを保存食として刺しておくためのものです。この資料の撮影にあたって、学生たちが決めたコンセプトは次のとおりです。まず、ベンケイはぶらさげて使うため、横に寝かせるのではなく縦位置に据えて、竹串を刺す藁の部分が見えるように若干見下ろす構図としました。次に、照明を傾斜をつけてあてることで竹の編んだ様子を際立たせ、ライトの距離を調整して右側に薄く影が落ちるように設定しました。画面の中での資料の大きさは、日本国旗の日の丸の赤い部分よりも一回り大きい程度と、目安をつけています。

実物を扱いながら、フィルムカメラの撮影方法の実習ができるのは、大学博物館あってのことと実感しています。博物館がオープンしたら、このような実物資料と向き合っての実習を恒常的に行うことができるようになります。

(学芸員)

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