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2009年10月

2009年10月31日 (土)

河北新報に開館予告の広告が出ました!

Photo  今日10/30の河北新報の夕刊に、当館の開館を予告する広告が出ています。当館の建設に携わった多くの企業が出してくれたものです。ぜひご覧ください!

 広報活動やオープニング・セレモニーに向けた準備も本格化。展示準備作業もピッチが上がってきています。

西の浜貝塚の土器を展示

2  今日は、本学で発掘調査を行った西の浜貝塚出土の土器を展示しました。展示をしてくれたのは、文化財行政で活躍されている史学科OBお2人。パネル作成から展示まで、すっかり「丸投げ」状態で申し訳ないのですが、休日返上でお手伝いいただいています。どうもありがとうございます。

 土器は、文様や素材の質感、焼きの具合、かけた部分など、直視下に観察できるように展示するのが一番です。もちろん国宝や重文となっているような資料はそうもいきませんが、やはり露出展示がベストです。

 一方で、資料を触られないようにする工夫も必要なのはいうまでもありません。博物館は、触れるところにあるものを触らないという、独特の作法が必要な空間です。そうしたマナーを「常識」として教えるために、わざわざ美術館・博物館へ社会見学に出かける小学校もあります。近くで見てもらいたいという思いと、触ってほしくないという思いを、同時に達成しなければならないのが露出展示で、悩ましいところです。

(学芸員)

2009年10月29日 (木)

コーナータイトルパネルの掲示

Dsc_0015  今日は、博物館実習の授業の学生たちで、各コーナーのタイトルパネルの掲示を行いました。

 この博物館の壁面解説パネルの特徴は、大型印刷機でプリントしたB0版、B1版のポスターを、アクリル板で挟んで掲示できるところ。つまり、展示の入替えの度に、パネルを発注する必要がないという、展示業者が作ってくれた便利なものです。初期投資はかなりかかりましたが、数年すれば元がとれるでしょう。

 ただ、実際の掲示にあたっては、紙にシワがよったり、紙が折れた部分がのこったり、少し苦労しています。紙には「目」つまり縦横の繊維の向きがあり、シワがよる傾向がでる向きがあります。また、紙の一方を機械でカットし、もう一方をカッターでカットすると、左右の縁の張り具合が微妙に変わり、それがシワのもとになったりもします。また、プリントしたばかりの紙は、水分が残っていて、これもシワのもとです。結局、どうやってもシワは消せないので、いかに目立たなくするか(お肌と同じ・・・)に目標を下げることになりました。

 解説用の説明パネルもそろいつつあり、パネルの掲示がおわる来週前半には、展示物の陳列にかかれることでしょう。広報用ポスターやリーフレットの校正も最終段階で、いよいよ忙しくなってきました。

(学芸員)

2009年10月26日 (月)

板碑展示台の搬入

Dsc00181_2

日本中世史分野では、新野一浩氏(瑞巌寺宝物館学芸員)による指導のもと、本学大学院生・学部生を中心に、開館準備に向けた板碑整理作業を進めており、先日の作業では、板碑用の展示台搬入を行いました。

板碑は、日本三景の一つ・松島の一画にある「雄島」浅海底から採集したもので、高さは最大で1.5m、最小で20cmと大小様々あり、写真にみえる展示台には片面2基ずつ、計4基の大型板碑が展示されます。

展示台のスケールもさることながら、板碑が立ち並ぶ光景を想像すると、大詰めを迎える展示作業にも一層、力が入ってきます。開館当日はその壮観さに改めて驚かされることでしょう。

(学芸研究員)

2009年10月15日 (木)

近世文書の撮影作業

A  13日(火)に、展示資料である近世文書の写真撮影をしました。

 この近世文書、江戸時代に一関藩で御家老をつとめた家に伝わる、5000点以上の大規模な資料群です。この日の作業は、その中より展示候補となる資料の撮影でした。

 これだけ量の多い中でスムーズに探したい資料を見つけられるのは、文書を1点ごとに封筒に詰め、さらに箱で小分けするというように、細かく整理・保管しているからです。

 ちなみにこの封筒は、中性紙で出来た特別なもの。phが酸性でもアルカリ性でもない「中性」です。

 人間のお肌は弱酸性・・・だそうですが、皆さんが普段使う紙もまた、その多くが酸性です。酸性の紙は空気の水分に反応して、どんどん酸化して痛んでしまいます。黄色く変色したり、もろくなってしまうのです。

 このため長期間の保存には、酸化を起こさない中性紙が向いています。そして文書資料を保存するためには、この中性紙で出来た封筒に入れて酸化を防ぐことが肝要なのです。

 日が落ち暗くなるのも大分早まったこの頃、反対に博物館の明かりが落ちる時間がどんどん遅くなってきました!

(学芸研究員)

2009年10月 9日 (金)

博物館を枯らす?

 先日の事務職員の投稿記事にあるように、博物館の前を通りかかった人だけでなく、学生からも「いつになったら開館するんですか?」とよく質問されるようになってきました。実際、建物の姿は一年近く前からあるので、いつまでたっても開館しないと思われるのも無理はありませんね。

 でも、これには理由があるのです。一般住宅でも同じですが、新築の博物館建築からは、様々な有害物質や水分が、多くの建材から放出されます。いわゆる「新車のにおい」です。これは体質によっては化学物質過敏症やシックハウス症候群の原因ともなり、現代の社会問題でもあります。博物館の場合、実はその被害を受けるのは人間だけでなく、大切な文化財でもあるのです。

新築の建物では、室内がアルカリ性になる傾向が強く出ます。また、壁紙の糊や、建材の接着剤は、業界では人体に影響のないものという基準で使われますが、100年以上前の古文書や、出土した木製品にはどのような影響が出るか未知数なものもあります。しかも、被害が出てからでは取り返しがつきません。

そこで、美術館・博物館は、建築後1~2年間、エアコンをかけっぱなしにして放置し、こうした物質を出し切ってから資料を搬入します。業界用語ではこれを「枯らす」と言います。当館でも、空っぽの収蔵庫と展示室の空調は、24時間つけっぱなしです。

また、水道やガスなどの配管、電気の配線なども不備がないか、数ヶ月間にわたって慣らし運転してみて確かめます。資料を搬入した後、水漏れ・ガス漏れがあってはたいへんです。

「いつになったら開館するのか?」と思われるかもしれませんが、今は博物館開館のために無くてはならない「枯らし期間」「慣らし運転期間」。ほったらかすのも準備のうちなのです。

…とは言ってもサボっているわけではありません。展示資料の準備、パネル原稿の作成、印刷物の準備、運営面での準備などで、大忙しなのです。

(学芸員)

2009年10月 8日 (木)

台風一過

231_3113 台風18号は仙台を通過し、明日からは晴れのようです。しかし、風が強く吹くようで、まだまだ注意が必要ですね。

さて、台風もなんのその、当館では開館にむけて着々と作業が進められております。写真は復元した縄文土器に着色しているところです。修復材の色は灰色なので、復元箇所がそのままでは‘つぎはぎ‘が目立ってしまいます。そこで、色をつけて‘縄文土器らしく‘しているのですね。とても上手な人が色を塗ると、復元箇所と残存箇所の見分けがつかなくなります。しかし、色を全く付けず、残存箇所との見分けがつくようにする方法をとる研究者もいます。いろいろな博物館の復元方法を比較してみるのも面白いかもしれません。

開館まであと一か月とちょっと!がんばります(・∀・)イ

(学芸研究員)

2009年10月 7日 (水)

キンモクセイの香り

Photo  10月に入ってから、道行く方々が博物館に訪れてきます。お隣のキンモクセイの甘い香りに誘われてなのでしょうか?
 「開館はもう少し先ですが、博物館前の掲示板で開館のお知らせをします。その節はお待ちしておりますのでよろしくお願いいたします。」とお答えしています。
 皆さんで開館にむけて、心豊かな準備毎日でありますようがんばりましょう。
(事務室オバサン)

資料の写真撮影(2)

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今日も民俗資料の写真撮影をしました。

前回が資料用写真だったのに対し、今回の写真は後々、パンフレットなどに使うための写真です。1枚1枚、どのような写真にしたいかよく考えながらセッティングを練るため、なかなか時間がかかります。量より質・・・と思いつつも、忙しくなってきました。

お隣では近現代史ゼミの皆さんによって文書資料の撮影が行われています。

博物館で作業にあたる人を見る機会が、格段に増えたこの頃、オープンもいよいよ近いのだと実感してきます。

(学芸研究員)

押川文書の整理作業も進行中!

Dsc_0040 近代史の展示では、本学校祖のひとり押川方義(初代院長)の関係文書を紹介する予定です。押川文書の整理作業は、歴史学科の河西准教授と学生・大学院生で行われています。

今日は資料の写真撮影が展示室内で行われました。資料のうち書簡などの折りたたまれた資料を撮影するのは苦労するものです。しかし作業を見ていて、良いアイデアをもらいました。
博物館の展示では、卦算(けさん)というガラス棒を文鎮のように置きます。しかし、資料の内容をを読むための写真を撮影するとき、卦算は影が出たり、押さえた部分が隠れたりするなどの問題が出ます。そこで活躍するのが菜箸(さいばし)!両手に一本ずつ持って、文書の両端を押さえれば、しわも伸び、丸い箸先で資料を痛めず、資料の全体を撮影できる。
これはまさに、民具研究で言うところの「転用」です。

本学の礼拝堂地下にある資料室では、押川方義と東北学院とのかかわりを中心に展示しています。これに対し、当館の展示では同時代の動向のなかで押川がどのような活動をしていたのかを、河西ゼミナールの調査成果をもとに紹介することになるようです。
開館後は、ふたつの展示施設をハシゴして見ることで、押川方義らの多面的な活動が垣間見られることでしょう。

(学芸員)

2009年10月 3日 (土)

縄文土器修復作業(2)

231_3111 本日も引き続き修復作業を行っております。土器の修復には色々な方法があります。石膏を使用したり、モルタルベースの修復剤を使用したり・・・。修復する土器の質感と関係するのですが、現在ではモルタルベースのものが主流のようです。

土器の表面を修復する前に、「骨」をつける作業があります。骨といっても、カルシウムの骨ではありません。人間は骨折した時にギブスをつけますが、このギブスの材料にもなる素材で土器の「骨」を作ります。熱で成型ができるので、土器の曲面も表現できる優れものです。写真は「骨」を接着剤で土器につけている様子です。この「骨」に修復剤を塗り、土器を復元します。

人も土器の骨折した時に同じものを使うなんて面白いですね。

(学芸研究員)

2009年10月 1日 (木)

資料の写真撮影

Dsc_0006 博物館実習の授業では、すでに博物館を活用し始めています。

今日は、民俗資料の写真撮影をしました。資料写真は、資料の置き方、照明の当て方、影の作り方(消し方)、露出の設定など、さまざまなことを考えなければなりません。学生たちは、前面をまんべんなく照らして色を強調するのか、表面の凹凸を影を作って強調するのか、周囲の影をどう作って質感を出すか、露出の設定でどこまで深くピントを合わせるかなどを話し合いながら撮影しました。

博物館では、一枚の写真を撮るのに、あぁでもない、こうでもないと、数時間を費やすことがあります。資料写真には、ものをいかに伝えるかという「コンセプト」が必要です。つまり、なぜそういう写真になったかを説明できなければなりません。

写真は、東北地方では一般にベンケイ(弁慶)と呼ばれる藁つとです。竹篭に藁を束ねて詰めて、イロリの上などにぶらさげ、燻した魚などを保存食として刺しておくためのものです。この資料の撮影にあたって、学生たちが決めたコンセプトは次のとおりです。まず、ベンケイはぶらさげて使うため、横に寝かせるのではなく縦位置に据えて、竹串を刺す藁の部分が見えるように若干見下ろす構図としました。次に、照明を傾斜をつけてあてることで竹の編んだ様子を際立たせ、ライトの距離を調整して右側に薄く影が落ちるように設定しました。画面の中での資料の大きさは、日本国旗の日の丸の赤い部分よりも一回り大きい程度と、目安をつけています。

実物を扱いながら、フィルムカメラの撮影方法の実習ができるのは、大学博物館あってのことと実感しています。博物館がオープンしたら、このような実物資料と向き合っての実習を恒常的に行うことができるようになります。

(学芸員)

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